「まさか」という現実




トラックに特別な注意をする理由

 首都高速道路での1)爆発事故、2)追突炎上事故、3)横転スクラップ事故など、記憶に新しい「まさか」の事故がありました。
1)は目の前を走っていたタンクローリーが突然爆発炎上、2)は日常的に起こる事故でも、追突した車両が大型トラックであったために、渋滞最後尾で追突された乗用車が炎上してしまった死亡事故、3)はコーナーで隣を走っていた重量物積載のトラックが突如横転してきたために乗用車がスクラップされてしまった死亡事故。どの事故の当事者も「まさか自分が」と思っていたことでしょう。
でもそれは「運が悪かった」で片付けられてしまいます。では、運の悪い方は「まさかの事故」に巻き込まれても仕方ないのでしょうか? 「事故に遭いたくなければ違反しなさい」のところで、以下の事を書きました。

○大型トレーラーは重量物を積んでいるので、万一積み荷が落下すれば怪我するのは後続車両である

○後続車両が居眠り運転していたり、ブレーキ故障して追突してくる事態を考えれば、前方の車両は小さい方がよい

○大型トラックの後方では前方視界を塞がれるため、事前に交通状況を察知できず、大型トラックのドライバーが状況判断を過った場合に巻き込まれるのは後続車両である


 この3つくらいでは全然足りないのですが、仮に運が悪くても「まさか」に巻き込まれないように気をつける事はできるハズです。幼い頃、両親に注意されませんでしたか? 「落ちて怪我をするから、高いところに登ってはいけませんよ」「万一落ちてしまったら溺れちゃうから、池の近くで遊んではいけませんよ」。それでも子供は木に登ってしまったり、危険な用水路の近くで遊んでしまったりします。交通事故も同じではないですか? 私が日頃行なっている様々な「まさか予防法」を御紹介しましょう。



今も昔も
第1回「君子あやうきに近寄らず」


 いつ頃から「まさか」に注意するようになったのか、正確な記憶はありませんが、長年の運転経験に基づいて身についたもの、雑誌で偶然に読んだ知識など、さまざまなものが合わさって、今では当たり前の自分流になっています。

「君子あやうきに近寄らずシリーズ」第1回はトラック集中攻撃。もちろんトラックドライバーさんが悪いのではありません。トラックは、乗用車が闘っても勝てない手強い相手だからです。

1)でかい
2)高い
3)重い
4)荷物がある
5)意外と快適

まずは、5つの理由を踏まえてください。

定義1)
信号でも渋滞でも停止する場合、自分の後続がトラックなら前車との車間距離は最低でもクルマ1台分以上、前車がいない場合には停止位置よりもずっと手前で止まるように減速し、後続トラックが明らかに停止することが確認できてから停止位置に止まる。この行動によって、そのトラックがプレッシャーをかけるような行動をとったら、そのトラックの前は決して走らないこと。


 定義1に対応する考察1は長くなってしまうので、次回に続きます。


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