図を見て考えてみて下さい。電車がブレーキ制動していなければ赤丸部分が受け持つ力は1両目だけ。急制動をかけると7両分(正確には7両分全てではない)の慣性重力が赤丸部分にかかる。
そうなると台車が破損に耐えられなくなった瞬間、または台車が線路を乗り越えてしまった瞬間に、電車は線路離脱地点から接線方向に一直線に向かってしまいます。その場所がマンションだったとしたら・・・

結論を書きます。
電車の限界スピードコーナリングを運転士が唯一コントロール出来るのは前後方向の力、すなわち加減速しかないのです。この操作を過ったら電車は限界を越えてしまうのです。
運転士が緩和曲線でブレーキ制動を解除すれば右台車が浮き上がりながらも300Rを曲がりきれた可能性があります。
JRの技術担当者は「当該電車の300Rの限界コーナリング速度は133キロ」と言っているのですから、108キロなら曲がれたのではないでしょうか。

これを上級ドライバーに置き換えてみましょう。
モノ(タイヤ性能や最新デバイス)に頼り過ぎて、自らのスキル(技術や知恵や心)を磨かないドライバーが多い中で、運転技術を磨き、思いやりを持ち、常に安全(事故防止)への意識を持っているドライバーは上級なのです。


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